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『すずめの戸締り』サダイジンの正体!ネタバレはあらすじ程度で考察

すずめの戸締まり サダイジン 正体 深くてやばい!
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『すずめの戸締まり』サダイジンの正体である要石になった理由。

サダイジンという黒猫がもつ役割についても考察しています。

これから見る人のためにネタバレは要所ごと、短いあらすじ程度となっています。




『すずめの戸締り』サダイジンの正体!役割は?

『すずめの戸締まり』はサダイジンという、もう1匹の猫が登場します。

サダイジンの正体はずばり「要石」であり、重要な役割を持っています。

物語には2匹の猫が登場していました。

サダイジンダイジンです。

どちらも一見、可愛いただの猫に見えますが物語の要となる存在のキャラクターです。

不気味な「ミミズ」「扉」とともに物語が進むうえで欠かせません。

主人公である、すずめのそばにずっとついているダイジンととても似た外見の黒猫のサダイジン

すずめとずっと行動を共にしていたわけではないけれど、大事な場面で登場します。

ダイジンと似ているのに、より謎が多いキャラクターでした。

サダイジンの正体、役割を語る上で欠かせないのが「要石」です。




『すずめの戸締まり』サダイジンの正体!要石とは封具!

すずめの戸締まりはでは大ミミズを地震の本体として表現しています。

ミミズの頭と尾が大きくうねり暴れることで地震が起きるという設定。

そのミミズの頭と尾を封じている2つの石が「要石」なんです。

そう!この2つの要石となるのが2匹の猫、ダイジンとサダイジンなんです。

ダイジンは西の要石、サダイジンは東の要石という関係にあります。

過去の歴史から見ても、日本では数百年に一度、大きな災害が起こっています。

それは戸締まりだけでは抑えることができません。

ミミズ(地震)を封じ込めるためには、時代ごとに決められた場所に要石を刺す必要があります。

要石によって、地震を起こすミミズを鎮めているのです。

サダイジンの正体は要石。

大きな災害を封じるための封具の役割をもった存在と言えるでしょう。

余談ですが、ミミズがぐねぐね暴れるところを見たことある人。

新海誠監督のチョイス、絶妙な比喩だと思いませんか?

私は蛇とかではなくミミズというところに逆にリアルさを感じてしまいました。




『すずめの戸締まり』サダイジンの正体!要石は猫?

ダイジンは西の要石、サダイジンは東の要石

という関係にあります。

封具であるという解説をしましたが、猫だから要石というわけではありません。

閉じ師である宗像草太(むなかたそうた)も椅子という媒体から要石になりかけていました。

このことから、猫や人間に媒体に、区別なく「要石」になることがあるといえます。

しかし、私は、誰でも何でもなるわけではないのでは?と思いました。

草太は閉じ師です。

封具として扱うにはそれなりの力を持つ者が、力を持てるものを使わないと封具には成り得ないのではないか?と思うのです。

猫も「遣い」であったり「ミツマタ」といった、畏怖すべき存在として登場することがありますよね。

もう1つ、理由としてあげられるのが、すずめが草太の祖父である宗像羊朗の病室を訪れたシーンでした。

すずめが去った直後にサダイジンが現れます。

サダイジンに対して宗像羊朗は

「お久しうございます。あの子についていかれますか。よろしくお頼み申す。」

と敬語を使って丁寧に話していました。

サダイジンは宗像羊朗より年上、もしくは立場が上の存在であると考えられます。

ただなんでも贄になるというわけではなく、力を持つ存在が、力を維持できる存在を選び、成り立たせた「封具」なのではないでしょうか?

また、宗像羊言っていたいた

「草太はこれから何十年もかけ神を宿した要石になっていく。」

という言葉。

要石とは長い年月を経て役割を果たしていくことがうかがえます。

「サダイジンも何十年とかけて要石になった存在」と想像できますね。

例え畏敬の念を抱かれたとしても「いい迷惑」と言ってしまいそうですが、日本だけでなく世界中に似たような事例が「信仰、崇拝」として繰り返されていました。

もしかしたら、サダイジンも、元は草太と同じような人間や、生身の猫であった可能性は否定できません。

草太が要石にさせられそうになった時の状況からも「要石」とは、力のある存在、または力を維持できる存在によって作り祀られた土地を鎮めるための封具であると言えますよね。




『すずめの戸締まり』サダイジンの正体!環にとりついた理由

サダイジンが、すずめの叔母である環にとりついた理由はあたたかいものでした。サダイジンの初登場は、

環がすずめに対して本音をぶちまけてしまうシーンです。

環の後ろに黒い大きな影が出たところから、サダイジンが憑依していることが分かります。

これについては、新海誠監督が舞台挨拶で

「すずめと環のわだかまりを解消して、すずめに戸締まりに専念して欲しいというサダイジンの意図」

と解説していました。

環はすずめの行動に理解ができておらず連れ戻しにきていました。

この段階で連れ戻されてしまうことはサダイジンにとってもいい展開ではなかったのでしょう。

環にはこれからすずめがやろうとしていることを理解してもらう必要があると判断したのだと思います。

すずめには澄んだ意識で役割を果たさせたかった。

だからこそ、サダイジンは環にとりついたのです。

私は、怖いことや悪意などではなく、すずめのため、世界のために「要石」として行った行動に思えました。

サダイジンが環の本音を引き出し、わだかまりを解消させることは大切なプロセスだったのですね。




『すずめの戸締まり』サダイジンの正体!サダイジンは白と黒がいる?色が変わった理由。

すずめの戸締まりの映画の中で、サダイジン達2匹の猫は色が白黒と変化します。

サダイジンは通常時が黒・大きくなると白に色が変わりました。

ちなみにダイジンは通常時が白・大きくなると黒に変化します。

これについて、はっきりとした理由は描かれていません。

私は太極図をモチーフにしたアイデアではないかと考えています。

この太極図は通常、白色が「陽」を表し、黒色が「陰」を表します。

太極図は森羅万象、この世の全ての理を表したものとされています。

すべてのものは「陰」と「陽」のバランスによって成り立っています。

陰と陽は表裏一体ということなのです。

災害によって荒れている世界と災害が治まって平らな世界の対比。

要石は封具でしたよね。

2匹で一対という設定からみても、サダイジン達の色の変化は

「この世の理=太極図」に由来しているのではないでしょうか。




『すずめの戸締まり』サダイジンの正体!ダイジンとサダイジンの違い

サダイジンダイジンに違い。

前述までの解説どおり、2匹とも要石としての正体は同じです。

違うことと言えば、要石として抑えている部分が違います。

サダイジンは東の要石で、ミミズの頭の部分を押さえている。

ダイジンは西の要石で、ミミズの尾の部分を押さえている。

と、考えられます。

日本は東西だけでなく南北にも実は大きな耕土です。

なのになぜ、サダイジンは東の要石になったのか?

サダイジンたちは、ただ配置したのではないと仮定して理由を考察してみました。

ここからは私個人の見解として考察したことになります。

東と西というと、太陽の出る方角と沈む方角ですよね。

それは大きな陰陽を司っていると思えました。

日が昇り、日が沈むという「一番身近な陰陽という理」において、神聖な封具としての役割を持たせたのではないでしょうか。

黙々としていたサダイジンと、明らかに奔放なダイジン。

それぞれを静、動で表現するならば、

サダイジンは陰を司る黒。

ダイジンは陽を司る白。

陰陽は片方だけでは成り立ちません。

また太極図は中にそれぞれ反対色の点をもっています。

これは、片方だけに極りきらないことを意味しています。

それぞれの中に陰陽を持たせ、

東=陽には陰の要石。

西=陰には陽の要石。

として、サダイジン達を東西に据えたのではないでしょうか?

 

すずめの戸締まりは震災や災害が1つのテーマとして描かれています。

私もこの映画に出てくる土地は知っています。

当時を知っている人だけでなく、住んでいた人や、大きな被災経験がある人にとっては、胸を締め付けられるようなシーンもありました。

しかし、それ以上に、風化させてはいけない。

後世に伝えていこう。

という新海監督の気持ちにも、胸を打たれました。

様々な描写はありますが、神話や古事記もテーマに入っています。

サダイジン達の設定1つとっても、非常に興味深い映画になっています。

2024年4月5日には金曜ロードショーで、地上波放送が予定されています。

DVDや様々なVODでも見ることができます。

すでに観た人も、まだ観ていない人も、是非、観てみてほしいです!

物語を楽しんだ後は、是非、細かい設定からも楽しんでみてくださいね!



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