地縛少年花子くんのアニメ化、3期(2期の後半)で、いよいよスミレちゃんが登場!
「スミレちゃんは結局、死んでしまうのか?」
「食べられたってどういうこと?」という疑問や、
「スミレちゃんの正体」はどんな存在だったのか?
本編では、比較的後半で登場するキャラクターのスミレちゃん。
衝撃的なラストシーンに込められた意味の考察とともに、スミレちゃんの正体や存在意味まで解説します。
地縛少年花子くんのスミレちゃんは死んでしまった?
生死で言うと、スミレちゃんは登場した時点で、すでに死亡しています。
しかし、怪異としての力や依代の役目がまだ完全に終わっていなかったこともあり、スミレちゃんは人間の姿を保ちながら「薄暮の依代」として登場していました。
「死んでいるけれど、完全には消えていない」
「存在しているけれど、生きてはいない」
「想いはあっても、口に出せない」
なんだか、私は、とても象徴的だと感じました。
スミレちゃんは怪異と人間の間にある、あいまいな存在として描かれています。
“生と死のあいだ”という曖昧な存在感の切なさや、自分を持ちながらも自分を生きられない。
そんな、やるせなさを感じてしまいました。
地縛少年花子くんのスミレちゃんは本当に食べられたの?
スミレちゃんが食べられた!?
実際に漫画を読んでいたファンのあいだでもかなり衝撃的だったと思います。
薄暮(六番の怪異)との最後のシーン。
スミレちゃんが薄暮の腕に抱かれ、薄暮なりの想いを吐露してあと。
バキッ!!って、かじられた!?
という流れが描かれています。
ストーリーの中でも、特に印象に残っていますし、皆も驚嘆したんじゃないでしょうか?
彼女の首筋や腕にハッキリ噛み跡のようなものがついていて、血の描写がありました。
直前までの優しい流れのように感じていたのに、それを見て
「えっ、スミレちゃん、食べられちゃうんかい!?」
と私も驚いたんですよね。
展開からしても、かなりショッキング!
実際のところ、どうなのでしょうか?
スミレちゃんが「食べられた」と明言されているわけではありませんが、あの効果音とストーリーの流れからいって、6番の薄暮の手にかけられたと言って間違いなさそうです。
ただ、このシーンから切ない想いを感じました。
私は、このシーンを読んだとき、“物理的な捕食”だけでなく、もっと深い意味が込められているんじゃないかと感じたのです。
薄暮は怪異なので、人間のような感情は乏しいように思います。
その上で、薄暮なりのスミレちゃんへの愛情表現に感じました。
最初に嚙みついていたのも、まるで愛情表現のような感じがしたんです。
スミレちゃんの想いを受け止めて、薄暮も自分の想いを再確認し認めた。
薄暮はどうしていいかわからない戸惑いの果てに、スミレを取り込むことを決意した。
少しゆがんだ感情にも思えますが、怪異なのでね、それも納得です。
『薄暮がスミレを魂ごと取り込んだ』ように感じたんです。
殺したのではなく一緒になりたかった成れの果てなんじゃないでしょうか。
スミレと薄暮、2人の存在が一体化となり融合したことで、運命を共にすることをお互いに選んだんじゃないか。
そんなふうに思えたんです。
「食べられた=消滅させられた」のではなく、「食べられたことで一つになる」という、ある種の愛情の形として描かれてたのではないかと思うのです。
この選択を聞いたとき、スミレちゃんは、驚いていたものの恐怖や苦痛を感じている様子はありませんでした。
スミレちゃんが、自分のままで “選べた終わり” だったように思います。
むしろ、スミレちゃんにとって、“救い”であったんじゃないでしょうか。
実際、スミレちゃんの表情や言葉からも恐れや絶望は感じませんでした。
どこか穏やかな、すべてわかっている…というような静かな喜びがありました。
自分の宿命を受け入つつも、張っていた皮をようやくはがせたような。
自分の意思を全うして「薄暮と共に在ること」が叶った。
そんなふうにも読み取ることができるのではないでしょうか。
地縛少年花子くんスミレちゃんの正体とは?
スミレちゃんの本名は「赤根スミレ」。
“七不思議”という怪異(もののけ的な存在)のひとつ。
鬼でもある「六番のシニガミサマ」の依代(よりしろ)として登場します。
ちなみに「依代」というのは、「別の何かを宿らせるための器」として使われる言葉ですが、花子くんの世界では明確な役割があります。
この物語において依代とは、ある意味「怪異のパートナー」であり、弱みでもあります。
人のこともあれば、物のこともありますが、怪異という存在にとって、それぞれが一番大切なものが「依代」になっています。
もともと、スミレちゃんは、巫女として怪異と深い関りがある家系「赤根家」に生まれました。
赤根家は、もともと怪異を封じるための儀式に関っていた一族です。
スミレちゃんは赤根家に生まれたために、“生贄”としての役目を負わされる運命にありました。
スミレちゃんは、怪異を抑え、人間側に害が及ばないように命を捧げることを決められた存在。
自ら望んでその役目を担ったわけではありません。
家の役割として与えられた“運命”を受け入れるしかなかったスミレちゃんの姿。
かなり切ないんですよね。
特に薄暮(はくぼ)に対する眼差しや、そこにあろう想いを考えると、余計に感情移入もしてしまう。
私は、なにより、どんなに自分に別の主張や思いがあっても、「生贄」という現実の役割を全うしないといけないことが悲しいと思ってしまいました。
地縛少年花子くんのスミレちゃんの正体!葵との関係
地縛少年花子くんには、スミレちゃんによく似ている「葵ちゃんが登場します。
よく似ているので、見ている側としては「どんな関係?」と気になるところ。
スミレちゃんと赤根葵ちゃんの関係についてもまとめていきますね!
スミレちゃんと葵ちゃんは、子孫?それとも前世のつながり?
と、読者の間でも考察が飛び交っています。
この二人、名字が同じなのは気がつきましたか?
そこから、スミレちゃんは葵の先祖。
前世で、魂の生まれ変わり。
という説が飛びかっています。
スミレちゃんと葵ちゃんは、髪型は違いますが、よく見ると外見も似ています。
そして同じ“赤根”という姓を持っています。
確定か?と思いきや、なんと公式には明言されていないんです。
というかまだ、本編もそこまで触れてはいません。
そのため断定はできませんが、『地縛少年花子くん』という作品自体が、魂や怪異、因果や因縁といったテーマを多く含んでいます。
それを考えたら、「何らかのつながりがある」と感じさせるような描写が多くても納得です。
生存していた時期的なことを考えると、姉妹という線は薄いですが、血縁や、前世(因縁?)が絡んで登場してくる可能性は充分にありますよね!
逆に、そういった設定がされてなかったとしても、
「スミレ」も「葵」も、どちらも花の名前です。
スミレの花言葉は「謙虚、誠実、小さな幸せ」
葵の花言葉は「豊穣、大望、気高い美しさ」
対照的なようでいて、つながりを感じます。
対極でありながら、スミレちゃんの願いの具現化が葵ちゃんのようにも思えてきませんか?
象徴的な意味が込められているように感じますよね。
そもそも、赤根の家は巫女家系ですからね。
それ以外にも怪異たちも継承性です。
いずれにしても「役割を受け継ぐ」「意志を継承する」とかはテーマの1つと言えそうですよね。
同じ名字を持っている葵ちゃん。
スミレちゃんと繋がりがある存在として、今後の物語の進展のために登場していても不思議はありません。
個人的に、キャラクター同士の繋がりや、後世にで繫がっていくような展開は好きです。
なんでやぁぁぁ!
と叫びたくなる展開や、フラストレーションがたまりそうな展開はありますが。
その後に救いを持たせて丁寧に描いてくれるところも、地縛少年花子くんの魅力のひとつ。
だからこそ、葵ちゃんへと何が引き継がれていたのかという伏線があるのか?も気になります。
地縛少年花子くん・スミレちゃんの正体と意味
スミレちゃんが登場したことで、依代の役割や重さ、怪異の理解度が上がった気がします。
薄暮の関係性といい、ハサミとか物よりも、感情移入の幅が大きいので(笑)
そう!スミレちゃんというキャラクターを通して描かれていたのは、ただの生死にあらず。
「与えられた役割にどう向き合うか」
「他者とどこまで理解し合えるか」
「選ぶという行為にどれだけの意味があるのか」
といった、深いテーマを表現しているんじゃないでしょうか。
花子くんの物語は、怪異が登場するけどラブコメ?というジャンル。
しかし、その中でも、スミレちゃんの物語は、やるせないようでいて熱い。
どこか、人間と怪異の差が縮まるような温かさを含んでいる感じがします。
読み終わったあとに、心にじんわりと何かが残るような深さ。
私はスミレちゃんが存在した意味として、正体は生け贄でありながらも、それを超えて「自分」を全うする尊厳の表れだと思っています。
その尊厳を大切に感じる「想い」は怪異にもあるのかもしれない。
最後が「食べられた」としても、それは悲しい“終わり”ではない。
自分の存在全てをかけて、“違った在り方で一体に生きること”を選んだだけ。
スミレちゃんが生きた、やるせなさが多くみえる運命の中でも、誰かを想い、優しさを持って生きる(存在する)ことができる生き方は、何よりの救いではないでしょうか。
もしかしたら、怪異となれば忘れてしまうかもしれない大切な物。
人の想いだからこその強さや、持ち続けたい「大事なこと」の象徴なんだと私は思います。
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