ー映画「インターステラー」で謎だらけなガルガンチュア。
ガルガンチュアとは何なのか?。
時間の流れが遅いのはなぜか?
私なりに簡単にまとめて解説していきます!
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。ガルガンチュアとは何か?実在する?
ガルガンチュア!
映画「インターステラー/2014」に登場するブラックホール【 09月06日 黒の日 】 pic.twitter.com/CfDVceV07k
— 岡本佳知 (@kachi_okamoto) September 6, 2024
ブラックホールって、宇宙に一つしかないわけではありません!
重い星が爆発したときにブラックホールは発生します。
小さなブラックホールだったら飲み込まれて終わってしまいます。
ガルガンチュアは超巨大ブラックホールなので、重力やその作用をうまく利用できる。
ということになったんですね。
映画に出てくるガルガンチュアの映像にそっくりなブラックホールの写真がNASAのHPにあがっていました。
降着円盤をともなったブラックホールがどのように見えるのかを、NASAがシミュレートして可視化した映像。2019年に公開した記事に加筆・画像追加などを行い再公開。Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/Jeremy Schnittman
詳細は記事へ👉https://t.co/VwcSxlbjL8 pic.twitter.com/SQ08vFRHNw
— アストロピクス 宇宙画像情報サイト (@Astropics_bb) May 14, 2024
私にとってブラックホールは渦巻いてすべてのものを飲み込むイメージでした。
映画を観た時、円盤状だったので、私は一瞬『あれ?』と思ったんですよ。
光さえも抜け出すことができないブラックホールを直接見ることはできません。オレンジ色に輝いているのは、ブラックホールに吸い込まれかけている高温のガスなどが高速で周回する「降着円盤」と呼ばれるもの。
引用元:https://sorae.info/astronomy/20190926-blackhole.html
映像で円盤形に見える光の部分は、チリやガスなどがすごい勢いで吸い込まれる軌道。
ブラックホールの強力な重力によって円盤状の裏側がゆがんで引っ張られる。
それが横から見ると折れ曲がって円盤のようにみえていたということなんですね。
真ん中にブラックホールがあるので、実際には幅の広い輪のような構造だと推測されています。
くるりと回転させて真上から見たら、渦巻いた円盤状の輪に見えるってことですね。
あの形はブラックホールにガスがすごい勢いで引き込まれて形が歪んだ軌道だったのか。
平面じゃなくて立体でイメージしたら「なるほど~!」と思いました。
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。ガルガンチュアの名前の由来。
ブラックホールにガルガンチュアと名前が付けられた由来がありました!
ガルガンチュア(ガルガンテュア、ガルガンチュワとも)は、フランソワ・ラブレーが描いた物語『ガルガンチュワ物語』『パンタグリュエル物語』の登場人物で、美食家で大食漢の王様。 (引用元:Wikiped)
付近に或るものをどんどん飲み込んでいく様から名付けられたといえそうです。
ガルガンチュア物語に出てくる、美食家で大食い、なんでも飲み込んでいく王様の描写を思い起こさせたのでしょうね。
光すらも飲み込んでしまうブラックホールの底が見えない吸引力。
確かに、伝説の王様と言えなくもないかも。
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。時間の流れが遅いのはなぜ?鍵は重力
アメリアやクーパーが探索に向かうときに時間差について説明されていました。
大昔に聞きかじった『うらしま効果』を思い出しました。
浦島効果とは
たとえば光速度の99パーセントで進む宇宙船内の時計は静止系の約1/7の速さで進むため、宇宙旅行から帰ってくると地球上では約7倍の時間が流れている。 引用元:Wikiped
それと同じようなことが、少し規模を変えて映画に登場します。
宇宙での大きな壁になっていた時間の大きなズレです。
宇宙の星の1時間が地球の7年に相当するという時間のズレ。
相対性理論からの引用と関係があります。
簡単に言うと『強い重力=強い時空のゆがみ』です。
一般相対性理論においては、重力は空間(時空)を歪ませ、時間の進みを変化させる。このため重力ポテンシャルの低い惑星上では、重力ポテンシャルの高い宇宙空間に比べて時間がゆっくり進むことになる。例えば、地球上(正確には、ジオイド表面上)で1秒当たり100億分の7秒遅くなる。(引用元:Wikipedia)
最も大きな主軸になっているのが、重力と時間の進み方の変化。重力が大きすぎるブラックホール。というのがポイントだと思います!重力が極端に強い
ブラックホールの周りと地球では時間の進み方が違いすぎてしまうんです。
例えばクーパーがブラックホールに1時間くらいで落ちていると感じたとします。
地球側からは7年かけて落ちているように感じるということです。
重力が強くなるにつれてクーパーの動きは少しずつ遅くなります。
地球からは止まってしまったように見えるんですね。
ブラックホールは重力が大きすぎるため、光すら飲み込まれてしまいます。
とてつもない重力によって、時間の進み方が変化します。
私は、重力というエネルギーを使って、問題が起きたり解決しようとするのが、この映画のリアルなところであり、面白さだと思っています。
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。なぜ、クーパーはガルガンチュアに落ちても生き残れたのか?
クーパーが自ら飛び込んだのは大きなブラックホール。
クーパーが生き残ることができたのは、ガルガンチュアが超巨大だったからなんです!
ブラックホールには、一度入っても引き返せる半径の領域と、それ以上深く進むと二度と出て来れない禁制領域が存在する。(中略)
二度と出てこれない、奥の禁制領域の入り口は、「事象の地平線」と呼ばれている。
ブラックホールの質量が大きければ大きいほど、禁制領域も大きくなるが、禁制領域が大きくなればなるほど、その入り口に宇宙船が差し掛かる際に働く重力は、中心から遠ざかっているため小さくなる。引用元:fansvoice
強い重力はすさまじいものとして語られていますが、これがまた面白いところ!
①ブラックホールが大きければ、戻ってこれなくなる禁制領域も大きくなる。
②戻ってこれない禁制領域が大きければ大きいほど、禁制領域の入口は中心から遠くなり、入口にかかる重力は小さくなる。
クーパーが落ちていったガルガンチュアは、超巨大な重いブラックホールでした。
禁制領域の中心までが大きかったからこそ、ブラックホールの入口付近で大きな重力を受けることなく、ちぎれたり引っ張り伸ばされたりしなかったということなんですね。
その後は、クーパーが、ゆっくりとブラックホールに落ちていくときに、5次元の存在が手を貸したのだと思います。
ワームホールを抜け4次元の超立方体空間にたどり着いたとき、ロボットのタープが5次元の存在に助けられたと言っていましたからね。
助かったクーパーは、そこから、
重力は時間を含む次元を超えることができる。
と、マーフにメッセージを伝えていきます。
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。燃料切れのアメリアがブラックホールから脱出できた理由。
すでに、2つの星で失敗し、後がないクーパー達。アメリア達の宇宙船は
燃料切れで地球にすら戻れない状態でした。
地球までは無理だが、エドマンズ博士の星までなら。
と、たどり着くことができた理由もちゃんと科学的だったんです!
回転するブラックホールに宇宙船から物体を上手く投げ込むと、宇宙船の速度が増すという”ペンローズ過程”の一例がある。アメリアの乗ったエンデュランス号は、回転するガルガンチュアにクーパーらを投げ込んだことでこの過程が発生し、十分な脱出速度が得られた。 引用元:fansvoice
回転するブラックホールに、クーパーやロボットのタースがいる宇宙船の一部を切り離し落としたんです。
それによって宇宙船の速度が増して、重力圏から脱出させることができたんですね。
すごく簡単な構図にみえますが、ロケットの打ち上げと同じくらい十分な速度です。
私は、宇宙での理論はスケールが違う!想像以上の威力!と驚きました。
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。2つの星がダメだった理由
私は、劇中でアメリアが言っていた言葉が引っ掛かりました。
起こりうることは起こるというマーフィーの法則。
突然変異は進化の基本プロセスだが、ブラックホールの軌道上では起こらない。
彗星や小惑星は飲み込まれてしまい、変異を促す衝突が起きない。
引用元:インターステラー、アメリアのセリフ
◎大津波に飲み込まれてしまうミラーの星
◎氷河に覆いつくされ呼吸できる酸素のないマン博士の星
共通していたのがブラックホールの軌道上にある星ということです。
ミラの星には炭化水素も有機物もあったのに動物はおろか微生物もいませんでした。
津波によって人間が住むどころの話ではありませんでした。
マン博士の星もミラーの星も同じ軌道上にあり、同じ重力の影響下です。
条件が変わらないなら、マン博士の星も同様に生命が生存できる可能性は低い。
この部分がマーフィーの法則の引用であり、アメリアの見解ですね!
エドマンズの星は現在地であるガルガンチュア付近からは一番遠い星。
同じ軌道上にないのだから重力の影響を受けずに人類が生きられる環境がある可能性が高い。
アエリアの言葉はもっともだと思います。
なのに、クーパーは意地でもマン博士の星に行き先を決めてしまいました。
私には、クーパーが冷静には見えませんでした。
いくら恋人がいる星を推薦したとはいえ、もっともな理由を伝えたアメリアに、自分が愛する家族と引き離された苛立ちをぶつけただけのようにも感じてしまうんですよね。
研究の中心人物となった優秀な博士が調査している星が近くにあるんだから。
と、早く帰りたいクーパーの焦る気持ちもわからなくはないですけどね。
結果、アメリアの読みは大当たりでした。
重力、ブラックホールの謎を解くことが人類が移住できる環境を作るうえで大事な要素。
として語られた重要なシーンです。
私の中で『突然変異は進化の基本プロセス]』が熱く深く、心に刻まれました。
「インターステラー」ガルガンチュアの謎。感想とまとめ
アメリアやクーパーが探索に向かった2つの理由。
①人類移住可能そうな3つの星を探索して決めてくること。
②ガルガンチュアの特異点の観測データをとること。
そのどちらにも、深く関与していたのが重力。
発生源として、ガルガンチュアと呼ばれるブラックホールでした。
難しい物理の世界を、宇宙と人類移住計画という壮大な映画に詰め込んでいましたが。
最終的に「愛は重力を超える」
に落ち着くところが、
私には、民間向けの映画っぽく収まって素敵。
と感じてしまいました。
重大な任務を背負ったことより、娘に会いたい帰りたいクーパーの気持ち。
理論はしっかり持っているけど、亡くなってる覚悟をしてでも、恋人に会いたいアメリア。
保身のために嘘をつき続けたマン博士やブランド教授。
どこか人間臭さが残る映画が、私にはむしろ人間の本質を描いたようにも感じられたのです。
色んな知識をいただいた映画ですが、
私の中で一番衝撃を受けた一文が、『突然変異は進化の基本プロセス』
これは、日常にも言えることなんですよね。
変化なくして進化はあり得ませんからね。
私のMVP、流行語大賞をあげたいと思いました。笑
コメント
通信が途絶えてる方と通信が今も続いてる方どちらかを選べ、と言われたら、私は通信が現在も続いている方に希望を見出すをなぁと、思いました。
2択でどちらか確実な方を選ぶしかないと言う状況に置かれた時、実際のデータと人の感情どちらを参考にするか…
生存してる可能性が高い方を選ぶ、という判断も間違いではない気がしました。
2人共冷静でいられないですよね。
それぞれ、大切な、守りたい人がいるから。
コメントありがとうございます。
そうですよね、どちらの気持ちもわかりますね。
大切な人を守りたい一心なんですよね。
どちらも不確定な中で何を信頼するかの選択で、アメリアとクーパーの対比は右脳的左脳的でもあり、おもしろい対比だなとも思いました。