映画インセプションは、
夢を使って他者の脳内にある情報操作をするストーリー。
現実と夢の向こう側の世界が重なるように現れてくるので混乱しやすいんです。
なぜインセプション(引き抜く)なのか、その意味を考察しながら
複雑に見えるこの映画を解説していきます!
インセプションの意味は?最後まで解説!コマに隠された秘密
映画『インセプション』に登場する「トーテム」と呼ばれるアイテム。
「夢の中に入り込む」ことがテーマとなっているこの映画において、「トーテム」は夢なのか、現実なのか判断するアイテムとして登場する。(引用元:TABILABO)
主人公のコブ(レオナルド・ディカプリオ)が持ち歩いているコマ。
コマを回した時、現実の世界であればコマはすぐに回転が止まります。
もしそれが夢の中であれば駒は回り続けるという、目印の役割です。
コマは、物理的な動作のみで回るので、かたよった重力の影響を受ければすぐに止まります。
しかし、夢の中は本人の意識的な干渉が入りません。
だから、回り続けることができるのは夢の中と判断できますね。
実は目印の役割というだけならコマでなくてもサイコロでも良いんです。
自分が、おかしい?と気が付くための仕掛けにさえなればOKなのです。
コブがコマを使っていたのは、亡き妻の形見でもあり、戒めでもあったからです。
サイコロを振る動作に比べて、コマの動きはより不安定ですね。
トーテムとは何かしらの象徴や商標をあらわします。
コマをトーテムにすることにより、コブ自身の不安定さを象徴しているように感じました。
インセプションの意味は?最後まで解説!夢を扱うルールとは?
潜在意識は、ドリーマーという提供者の夢が入口になります。
調合師が眠りのための鎮静剤を使って深い夢へと導きます。
設計者はインスピレーションと想像力を使いリアルに世界を展開します。
ターゲットには、夢の中だと気付かれないようにする必要があります。
出口のわからない迷路を作るように、何重にもトラップを組み込んで、複雑にすることでターゲットは夢と分かりにくくなります。
あとは、夢の中を探索して、情報の核がある場所を目指します。
潜在意識の世界はリアルというだけでなく、本人の罪悪感や願望なども表れてきます。
繰り返すうちに、今いる場所が潜在意識の中なのか、現実なのか、わからなくなってしまうんですね。
コブは、設計の練習に「知っている世界を創造するな。現実との区別がつかなくなる。」と注意します。
コブ自身、それで妻を亡くし、自分すらも囚われかけているからでした。
物語のクライマックス、階層の果てにある「虚無」世界から生還したコブは、待ち焦がれた家族との再会を果たす。そこで回したコマは、そのまま回転を失って止まりそうにも、引き続き回りそうにも見える。どちらとも判断できない絶妙のタイミングで、物語は容赦なく幕を下ろす。 (引用元:https://www.jigowatt121.com/entry/2020/01/08/165858)
このコマは重要なサポートアイテムです。ラストシーンでは少し切ない演出で使われていますね。
インセプションの意味は?最後まで解説!3階層の謎
第一階層の夢の世界で夢を見ると第二階層へ、第二階層の夢の世界で夢を見ると第三階層へ。深い階層になるほど時間の経過が遅くなる。夢から覚めさせるには、夢の中で死亡するか、「キック」と呼ばれる手法が採られる。
ターゲットの夢の中に潜入することで、エクストラクション[情報を抜き取ること]、インセプション[情報を植えつけること]が可能に。ターゲット側も訓練を受けることで、潜在意識を武装化させて、侵入者たちを排除することができる
(引用元:https://www.jigowatt121.com/entry/2020/01/08/165858)
夢を使って潜在意識に潜り込んでいくといのがテーマでしたね。
しかも、抜き出したり、植えつけられたりします。
これは潜在意識の書き換えとか、脳をだます。と呼ばれているものに設定が似ています。
さすが、インターステラーでも脚光を浴びた、クリストファー・ノーラン監督が手がけた作品。
私は脳科学、潜在意識、変成意識、物理的要素が楽しく入り込んでいる作品大好きです!
映画では、潜在意識は夢の奥にある意識帯。
これを多重構造のようにとらえて各階層に潜っていきます。
映画では、現実世界での10時間が、第1層では1週間に。
第2階層では6ヶ月、第3階層では10年になると語られています。
潜るほどに深くなり、現実との境界も曖昧(あいまい)な深層にたどり着くということでしょうか。
実は、私たちも近い経験を簡単に体験している!と思いました。
一晩、眠っているだけでも、自分が見た夢の中では何日も経っていたり、旅行に行ってたりすることありますよね。
私は、その状態と似ているかもと思いました。
戻る方法もなるほど!!と思いました。
いる階層にもよりますが、夢の中で死ぬか、キック(蹴とばされて)目が覚めるか。
眠っている時に、急にがくがくと揺さぶって起こすと頭がぐらぐらしながらも、衝撃の強さに目を覚ましますよね。
そのような状態を、夢の中の自分が自分に対して無理やり引き起こしているのです。
余談ですが、映画「鬼滅の刃 無限列車編」で、炭次郎が夢を操る鬼の血鬼術を破るときの方法も同じです!
あれも、自分がどちらの世界にいるのかを見極めないと危なかったですよね。
インセプションの意味は?最後まで解説!これは誰の夢?
コブはエクストラクター(抜き出す人)です。
色々な人の夢の中に入って、本来、情報を抜くのが仕事。
実業家のサイトー(渡辺謙)から、インセプター(植えつける)仕事を依頼されたことで、思いがけない展開へと転がっていきます。
現実世界から夢を入り口にして、第1層へ。
1層から、また夢を使って2層へ・・・
と同じように入っていきます。
各層ごとに時間の流れも違います。
第1層
夢の提供者はユスフ。現実に一番近く、本人の意識が反映されやすい階層。
トイレに行きたかったユスフの夢は大雨でした。
実は、ターゲットのロバートは情報を抜かれないための訓練を受けていました。
潜在意識が警備兵の姿をとって抵抗したことが大問題につながります。
第2層
夢の提供者はアーサーです。
ロバートが本当に自分がやりたいことは何なのか?を知るために見せられた世界
第3層
夢の提供者はイームスです。
ロバートと父親を和解させ、自分がやりたいことに進むように誘導します。
それにより、社長である父親の真似をしない=会社を継がずに潰す
という意識を植え付けます。ここで【インセプション=植えつける】が登場。
虚無の世界
これはコブの夢が入口でした。
自分で知ったうえで降りてくるなら、時間の影響は受けません。
しかし、うっかり落ちてしまった状態だと、夢だと自覚することができません。
永遠を繰り返し、自分が落ちてしまったことすら忘れ去って出れなくなります。
サイトーが落ちた世界であり、コブが囚われかけた世界です。
ロバートにインセプションを仕掛けるためのハイジャック計画。
第1層に残って管理する人間と、2層に潜って探索する人間。
第2層に残って管理する人間と、第3層に進む人間。
それぞれのシーンが、目まぐるしく入れ変わるので混乱します。
それゆえに、わかりにくい映画だと思ってしまうのかもしれませんね。
インセプションの意味は?コマと階層の謎も最後まで解説!あらすじと感想
他人の頭の中に潜り込んで、潜在意識から情報を抜き出す産業スパイのコブ(レオナルド・ディカプリオ)。彼の元に、実業家のサイトー(渡辺謙)から仕事の依頼が舞い込む。
その内容は、ライバル企業を倒産に追い込むために、会長の息子ロバート(キリアン・マーフィ)の頭の中に侵入して、「会社を潰す」というアイデアを植えつけるというものだった。
コブは選りすぐりのメンバーを集めて、この不可能と思われるミッションに挑戦する。しかし夢の中に潜入すると、思いがけない事態が彼らを待ち受けていた…。(引用元:FILMAGA)
物語のクライマックス、階層の果てにある「虚無」世界から生還したコブは、待ち焦がれた家族との再会を果たす。そこで回したコマは、そのまま回転を失って止まりそうにも、引き続き回りそうにも見える。どちらとも判断できない絶妙のタイミングで、物語は容赦なく幕を下ろす。 (引用元:https://www.jigowatt121.com/entry/2020/01/08/165858)
コマは重要なサポートアイテムです。ラストシーンでは少し切ない演出で使われていました。
喉から手が出るほど求め続けていた、子供達との再会。
その横で、微妙な動きをするコマが回り続けています。
コブは、コマが回り続けるのか、止まるのかも確認しないまま、子供たちに駆け寄ります。
虚無(きょむ)の世界は、私たちが思うより、ずっと深いのかもしれません。
意識の奥底に沈められていた願望が叶ったと錯覚したら?
そこから目覚めることは、簡単なことではないでしょうね。
クリストファーノーラン監督はインタビューでこう語っていました。
一番大切なことは、最後のシーンでコブがコマを見ていないということだ。
あの時、彼はコマでなく子供たちを見つめていた。
彼はコマを捨てたということなんだ。 (引用元:クリストファーノーラン監督のインタビュー)
コブは子供たちの笑顔を見ることができないまま離れ離れになっていました。
ラストシーンで子供の笑顔が目に入った瞬間、コブの理性が飛んだようにも見えました。
コブが家族と再会できた世界は、はたして現実なのか。
それとも幸せな夢の中に囚われてしまったのでしょうか?
監督が語ったように、
目の前の世界がどちらなのかが問題なのではなく、自分が何を信じると決めるか。
なのかもしれませんね。
コメント