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プリデスティネーションを解説!ネタバレで映画の意味や認知症についても考察

本当は深くてやばい!
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プリデスティネーションを解説!

ネタバレありで映画の意味について。

最後のメッセージからわかること。

矛盾点なども考察してまとめます!

プリデスティネーションを解説!ネタバレあり!映画で意味がわからない部分3選!

プリデスティネーションは時空移動が頻繁に起きる映画なので結構、複雑です!

疑問や意味がわからない部分を3つピックアップして解説します!

解説① 主人公の時系列がわからない

赤ちゃん、ジェーン、ジョン、バーテンダー、フィズルボマー(追いかけてる犯人)は、

すべて同一人物です。

時空移動で、くるくると巡っていてわかりにくいですが、この5役にそって関係性を並べました。

1,赤ちゃんを乳児院に預けたのはバーテンダー。

2,赤ちゃんが成長して女性ジェーンになる。

3,ジェーンが出会ったのは過去にタイムトラベルしてきたジョン(出産のリスクで性転換され男性になっている)

4,ジョンとジェーンが恋に落ちる。

5,ジョンが未来の自分だとは知らないジェーン。愛したジョンが忽然と消え、ジェーンは出産のリスクの性転換手術で男性になる。

6,出産した赤ちゃんは誘拐され(1のこと)、更に、男性になったことで絶望し、酒場で未来の自分でもあるバーテンダーと出会う。

7,バーテンダーがタイムマシンでジョンを過去に連れていく(3につながる)

8,ジョンはかつての自分(ジェーン)が憎んでいた男は自分だったと気付くが、ジェーンと恋に落ちて時間を重ねる

9,バーテンダーは別の時間帯に移動し、赤ちゃんを盗み孤児院に預け(1につながる)、更に時間を移動してフィズルボマーと決戦したり、火だるまになったジョンにタイムマシンを握らせて、ジョンに仕事を引き継ぐために、ジョンとジェーンが恋におちていた時間(8)へと戻る。

10,仕事を継ぐ約束をしているバーテンダーに連れられて、別れも告げずにジェーンのもとを去る(5につながる)この時、バーテンダーと自分が同じ人間であることも気が付く。

11,ジョンに仕事を託したバーテンダーはフィズルボマーを追って最後の時間移動をする。

12,フィズルボマーは、(11)の時に停止するはずなのに壊れなかったタイムマシンを使って、様々な場所と年代に行き、犯罪を起こす人がいる場所に先回りし仕掛けていた。

13,半信半疑のバーテンダーが、コインランドリーで出会ったフィズルボマーが未来の自分だと気付く。

14,気付いて尚、フィズルボマーを撃つが、バーテンダーの脳は認知機能の異常がおこり、バーテンダーがフィズルボマーへと変化しかけていた。

15,フィズルボマーの仕掛けた暴発顔が変わったジョンはフィズルボマーを追うべくバーテンダーとなり過去に戻り、ジョンと出会っていた(7につながる)

 

いやぁ、長いうえにややこしい!!

私は、プリデスティネーションの厄介な所は、過去の自分と未来の自分が同時に存在できるところにあると思います。

未来の自分と過去の自分が、自分になる赤ちゃんを作っちゃうし。

犯罪を防ぐために、犯罪を犯す自分を消し去りにいくが、時空移動を何回もしたせいで精神異常をきたして、結局自分が追うべき犯人になっちゃうし。

犯罪を犯していることにも気づけていないまま、タイムトラベルを繰り返し、過去の自分を痛めつけ、結果、過去の自分に消される。

ややこしすぎるだろ!とツッコミいれてしまいました。

 

解説② ジョンとジェーンは同一人物なのに、なぜ子供ができたのか?

もともと、ジェーンは完全体の雌雄同体でした。

タイムトラベルしてきたジョンと出会ったときは女性としての発達で妊娠が可能でした。

ジョンは未来のジェーンですが、出産のリスクで女性の機能を取り除かれ、男性への性転換手術を余儀なくされていました。

完全体の雌雄同体であったため、年月が経つとジョンの体は生殖機能が認められるようになりました。

完全体の雌雄同体だったジェーンとジョン。

出会った時に、それぞれの生殖器官が備わっていたことで二人の間に赤ちゃんができたんです。

ジェーンだった時のジョンは何も知りません。

しかし、ジョンは自分自身がジェーンでもあることを知っていました。

過去から未来、未来から過去への流れを知っていて悩んだジョン。

それでも愛を届けたかったのではないでしょうか?

私は、ジョンはジェーンに愛を届けたいのと同時に、ジョン自身も愛されたかったのだろうな、と思いました。

時の渦から外れてしまった不安定な自分自身を許容することでもあったのかもしれませんね。

 

解説③ フィズルボマーをうったバーテンダー。ジョンの未来は変わるのか?

ラストシーンから考察できたこと。

それは、残念ながら「過去も未来も変わっていない」ということでした。

フィズルボマーをうったことで終わるのであれば、違う時間が始まったのでしょう。

しかし、フィズルボマーをうった後、頭を抱えて目つきが変わったバーテンダーの姿が映し出されます。

若かったジョンが、バーテンダーに「お前の目の中にも憎しみがある。憎しみに飲み込まれるぞ」と言っていたのを思い出します。

タイムトラベラーは時空移動を繰り返すと、認知機能がおかしくなり精神異常をきたすリスクが高くなります。

他の人よりも多く移動を重ねたバーテンダーの脳は限界だったのかもしれません。

再び、蛇が自分の尻尾を追いかけるように時間の渦に飲み込まれてしまったように見えます。

けれど、私には、バーテンダー(未来のジョン)が、同じ時間の流れを繰り返しながら、いつか過去のジョンが選択を変えてくれることを、どこか祈っているようにも感じました。



プリデスティネーションを解説!ネタバレ!最後のセリフの意味

お前は難しい選択を迫られ過去を動かす。

未来が変わるかどうかはわからない。

だが、これだけははっきりとわかる。

お前は人生最高の贈り物だ。お前がひどく恋しい。

引用:映画プリデスティネーション、バーテンダーのセリフより

私は、この言葉に、全てが集約していると感じます。

難しい選択とは、自分自身でもあるフィズルボマーをうつか打たないかのことだと考察します。

自分をうつことで、未来が変わるかはわからない。

1人だけ特異な体質と宿命を持ち、終わりのない時の輪を巡り続ける自分。

全てが自分でしかない世界で、たとえ行き着いた未来の自分に絶望しようとも、すべての自分を愛しているのだと強い愛を伝えているのだと思いました。

バーテンダーが妻でもあり息子や娘でもある自分に、父でもあり母でもある自分からの言葉。

私には、やるせない愛の言葉に聞こえました。



プリデスティネーションを解説!認知症、精神病のリスクがあるのになぜタイムトラベルを繰り返したのか?

これが宿命だったんだろう。すべての任務は終点への道しるべとなる。

俺たちにとって、時は特別な意味を持つと気付くだろう。

過去から逃げることはできない。(中略)

俺たちにとって、この仕事は天職だ。

引用:映画プリデスティネーション、バーテンダーのセリフより

バーテンダー(ジョン)が時空を移動する理由は犯罪を未然に防ぐことです。

タイムトラベルを利用して犯罪者を消すことで社会の平和を守ることが仕事です。

ジョン(バーテンダー)は、元々は雌雄同体という珍しい完全体をもつ女性。

愛した男に裏切られ、出産を境に男性になります。

更に生んだ赤ちゃんを誰かに奪われ、憎しみと絶望でいっぱいでした。

そんな中で、憎むことは疲れたが愛より生きる目的を見つけたいと願います。

その願いを聞いたバーテンダー(未来のジョン)がその生きる目的として託したのが、この仕事です。

自分が時空の渦に飲み込まれ続け終わりが見えない中、もうジョンにはこの仕事しかない。

と思ったのかもしれませんね。

何度もタイムトラベルを繰り返すと精神に異常をきたすと言われてもやめることなく時間を超え続けています。

その強靭な精神力が生きるための目的と結びついたのではないでしょうか?

バーテンダーの視点では自分自身の運命や過去を変えることは出来ないと知っています。

未来が変わるかもしれないという望みをかけて、テープレコーダーをジョンに残したんじゃないかな。

バーテンダーは、ジョンを生かしたかったのだと思います。

だから、私は、バーテンダーは精神病のリスクを負ってでも、才能を活かすチャンスと生きる目的をジョンに与えたかったんだと思いました。

それは、時間の流れから外れてしまった唯一の自分。

父であり、息子であり、娘であり、母でもある自分に唯一届けられる愛だからなのでしょうね。



プリディスティネーションを解説!ロバートソンの正体を考察!

ロバートソンだけ、どこの時間軸にいても同じ姿で変化がありません。

一体、誰なのでしょう?

わかっている事実と仮説の両方から考察します!

ロバートソンの目的は何?誰なのか?

ロバートさんは1985年にいる。局の本部だ。

引用:映画プリデスティネーション、ジョンとバーテンダーの会話より

同じ顔で年を取っていないので、1985年を基点に各年代に移動してスカウトしたり指令を出しているのでしょう。

ロバートソンは現場職務ではなく本部局員という感じですね。

「ヤツ(犯人)のおかげで組織が成長した。鍛えられた」

と意味深な発言をしていました。

私は、これ伏線だと思いました!

ロバートソンは物語中の一番最新の時代から指令を出しにきていました。

赤ちゃん、ジェーン、ジョン、バーテンダーだけではなく、フィズルボマーまでも同一人物だと知っていたのだと思います。

ロバートソンが『(捕まえるのは)そんな簡単なことじゃない』と口走っていたセリフ。

あれは、バーテンダーが追いかけている犯人「フィズルボマー」が、バーテンダー自身であることを知っていたからとしか思えません。

最後のタイムスリップをしたバーテンダーに渡された指令。

内容には写真もありましたね。

それを見て、バーテンダーのジョンは、フィズルボマーの正体にうっすら気付いた表情でした。

他のすべてを捨て、正義という生きる目的のために追いかけていた犯人が自分って知ったら?

相当に残酷じゃないかい?

組織の成長のためにはフィズルボマーが必要だった。

成長するにはジョンが時空警察として追いかけ続ける必要があるわけです。

 

ロバートソンの正体は?

明確には出てこないので状況や発言から考察してみました!

捜査員の個人的な状況より組織の成長。

この姿勢も実は伏線なんじゃないかって気がしました。

時空警察官の上層部でありながら、捜査員を守るための制約に対して

「あんなものなければ検挙率があがる」と言っていました。

また、映画の最初の方で、ジョンがバーテンダーに向かって

生きる目的がほしい。

愛を目的にするよりぶち壊す方が楽だ

と言っていました。

目的のためなら手段は択ばないという強い意志が被るんですよね。

 

そして重要な一言。

映画の中盤でジェーンと出会わせたことを起こるジョンに向かって、バーテンダーは選択させた」と言いました。

もし、どこかの回帰点で「選択」ができるとしたら?

実はロバートソンも、ジョンと同一人物かも?

バーテンダー(ジョン)がロバートソンになるかフィズルボマーになるかの分岐点があるのかもしれない!

なんて、ふと思ってしまいました。

あくまで、私が感じたことの考察です。

正解があるわけではありません。

さて、あなたは、この仮説どう考えますか?



プリディスティネーションを解説!映画を観た感想のまとめ

プリデスティネーションは、ロバート・A・ハイラインの「輪廻の蛇」が原作です。

ロバート・A・ハイラインと言えば「夏への扉」など、時空を超える物語が他にもあります。

どちらにも「愛」がテーマにあるんですよね。

「夏への扉」の方が他者との「愛」に対して動いて時を超えています。

プリディスティネーションは、自分だけが登場人物の「愛」です。

知らぬ間に過去の自分と未来の自分が愛し合い、生まれた子供も実は自分で・・・

言葉にすると何とも難解な関係性。

自分自身だと分かっていても愛してしまう。

その事実を受け入れながら、憎まれることも受け入れる。

それはそれ、これはこれ。

という、究極のエゴイズムにも見えます。

私は愛を求めるエゴの感情を軸に進む映画だと感じました。

ああ、だから蛇なのかと。

輪廻は「繰り返し」ですね。

そして「蛇」は執着の表れとしても使われます。

長い蛇の頭は自分の尻尾だとは気が付かず、ひたすらクルクルと追いかけます。

バーテンダーが頭なら、フィズルボマーは尻尾。

ジョンが頭ならジェーンは尻尾。

ジェーンが頭ならバーテンダーは尻尾。

ジョンが頭ならバーテンダーは尻尾。

…etc…

ジェーンもジョンもバーテンダーも赤ん坊もフィズルボマーも、同じ一匹の蛇です。

どの瞬間に何を目的としているかで位置が違うだけ。

フィズルボマー(未来)を撃っても、バーテンダー(今)はいるわけで。

「永遠に終わらせられない執着で成り立つ輪」なんて地獄でしかなさそう。

どこにも終わりを見出せないのって、怖いと思うんですけどね。

 

私は、全員が『正義感に見せかけた、歪んだ何か』を持っているように感じました。

同じ人物の物語というだけでなく、全ての人間の奥に潜む「蛇」の象徴としての物語だとも思えてきませんか?

正義感すらエゴイズムという切り口で観た時、タイムトラベルを繰り返す「彼」の終わらない輪廻の流れは続いていくのでしょうか?

それとも『選択』によって、次の『蛇の尻尾』が待っているのでしょうか?

何とも、その後の想像力をくすぐる映画です!

是非、あなたも、この後の展開を想像する楽しさを味わってみてくださいね!

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