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「ティファニーで朝食を」はひどい?なぜ名作と言われる?あらすじから考察!

本当にひどい?
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映画『ティファニーで朝食を』は「ひどい」との批評も多い反面、名作コーナーにも並んでいます。

ひどいと言われた理由はどこにあるのか

名作となった理由はなぜか?

あらすじを踏まえて、理由を考察します。

「ティファニーで朝食を」はひどい?なぜ名作?あらすじから考察!ひどいと言われた3つの理由

「ティファニーで朝食を」は『ひどい』と言われることも多い映画です。

オードリーヘップバーンが印象的なポスターやパッケージ。

周知度は高いのに、なぜひどいと言われたのか?

あらすじを読んだだけでも考察できてしまうのです!

【あらすじ】

「ティファニーで朝食を食べるご身分」に憧れるホリーは、玉の輿を狙い複数の男性から援助を受け奔放に暮らしていた。ある日同じアパートに作家ポールが越してくる。やがて2人は惹かれ合うが、富と自由を愛するホリーは別の男性に目移りしてしまう。引用:映画ウォッチ

ホリーには多くの男性が付きまとう。
過去、兄と二人生きていく為に結婚していた夫は今でも諦められず追って来るし、金持ちの男とは多く付き合いがあり、金をもらうこともある。
ポールと友達以上恋人未満の中途半端な関係を続けながらも、ホリーは南米の大富豪ホセともうすぐ結婚するところまできていた。

ところが、ホリーが麻薬取引に関わっているとして捕えられたことで、ホリーは(ホセから)捨てられてしまう。
兄の死の知らせも相まって、ホリーの心はボロボロになる。

そんな時、自分を支え愛してくれるポールのことを考える。
ホリーはポールの思いを受け止め彼の胸に飛び込み、二人はやっと幸せになるのだった。

引用:MIHOシネマより一部抜粋

ひどい理由① 主役ホリーが奔放(ほんぽう)すぎる

ここが、一番だと思うのですよ。

明らかに危険だとわかるようなオイシイ話に簡単に乗ってしまう。

とにかく男の人を手玉にとって好き勝手やっているようにみえるところ。

万引きするシーンもあるんです。

映画としては無邪気とか表現として入れたのかもしれませんが犯罪ですからね。

「初めてのことをしよう」と、悪びれることなく楽しそうにするシーンにドン引きした人も多かったようですね。

また、ホリーは高級娼婦という設定です。

男性関係で詐欺まがいな状態になっていたり荒れた状態ばかりが目に付く。

設定とはいえ、マイナスポイントかもしれませんね。

私は、なんだか奔放というよりは大事なことから目を背けているようにしかみえない、ホリーの痛々しさを感じ取ってしまいました。

ひどい理由② 原作と映画で違いすぎるラストシーン

小説は小説として楽しみ、映画は映画として楽しむ。

と割り切れればいいのでしょうが。

原作はポールがホリーを回想していく回顧録のような感じ。

小説では、ラストでホリーは海外に行き、戻ってくることも連絡をよこすこともありません。

ところが、映画では別れではなく、ホリーはポールとの愛を選びます。

原作と小説のラストシーンが大きく違えば、観た人は別物のように感じてしまいます。

そもそもが、自由を手に入れたかったホリーの物語。

私も、これじゃホリーが『自由』をどこに見出したのか変わっちゃうんじゃない?と思いました。

ストーリーの骨格から変わってしまったように感じてしまえば、それもまたマイナスポイントですね。

ひどい理由③ 主役のミスキャスト

話題性でもありますが、これは大きいと思います!

こんなにひどいミスキャストの映画は見たことがない。

あの役をオードリーがやると決まった時には、ショックで怒りに震えました。

引用元:Wikipedia

これには、原作者のカポーティも異論でしかないと、かつてのインタビューで語っていました。

そりゃそうでしょう。

なにせ主役は【ローマの休日】で一世を風靡した永遠の妖精。

オードリー・ヘップバーン!

オードリーが演じることで、脚本にも様々な修正が入ります。

原作者が描きたかったホリー像とはまるで違ってしまうことは目に見えています。

◎単純なイメージ違いだけでなく、全く別物のようになってしまうこと。

◎自分が持っているイメージを壊されたくない派。

どちら側のやるせなさも感じ取ることができますね。



「ティファニーで朝食を」はひどい?なぜ名作?名作と言われた理由を考察

ひどいと酷評も多いのに、なぜいまだに名作の棚に並んでいるのでしょうか?

オードリーヘップバーンの素晴らしさ。

が大きいと思います。

娼婦役の設定でありながら、純粋さとチャーミングさだけを培養したようなホリー。

彼女が持つ可憐さと逞しさ、弱さと強さ。

この両方をバチっと演じきっています。

そして、オードリーが窓辺でギターを弾きながら歌う主題歌のマッチング。

この主題歌の歌詞もまた、ホリーの本当の願いを表現しているようでしっとり響きます。

自由を求めているようでいて愛も求めている。

両方を望みながら、どこかあきらめたようなホリー。

外に出しきれない密かな願いが乗せられているように感じました。



「ティファニーで朝食を」はひどい?名作?オードリー・ヘップバーンはミスキャストだった!?

ティファニーで朝食をと言えば思い浮かぶあのポスター。特にあのオードリー・ヘップバーンの瞳!ジバンシーのセクシーなドレスとは対照的なコケティッシュさ!好奇心と意志の強そうな瞳が可愛いんですよね!ホリー役は「高級」が付くとはいえ、結構、めちゃくちゃな娼婦役です

「イメージ壊さないでくれぇ」

と私も泣きつきたくなるかもしれません(笑)

ストーリーを知っていたら

『なぜ、オードリー!?』と思った人も多いはず。

カポーティは、マリリン・モンローはあれだけセクシーなのに純真で、ホリー・ゴライトリーを演じるために地上に遣わされたのだ、ホリー役の第1候補はモンローだと語った。

製作者二人はモンローが適役とは考えていなかった[6]。ホリーはシャープでタフでなければならなかったが、モンローはあまりにか弱すぎ、そのような人間がたった1人で大都会でホリーのように生きるとは想像し難かった[6]。さらに現実的にモンローは無責任なことで悪名高く、慢性の遅刻癖と、台詞覚えの悪さも致命的であった。引用元:Wikipedia

原作者はマリリンモンローに白羽の矢を立てていたようですね。

マリリン本人もこの役を希望していたようですが、セクシー路線だけのイメージから脱却したかった事務所側からNGが。

いずれにしても縁は繋がりませんでした。

 

実は、オードリー自身も最初は引き受けるつもりはゼロ!

しかし、どうしてもオードリーを使いたかった制作サイド

脚本を変えてでもオードリーの起用が優先されました。

オードリー側からの要請で、きわどいシーンや娼婦的な出番は削られて、最終的にあの形になったんですね。

たとえ、原作者が怒ったとしてもです。

確かにマリリンモンローはセクシーです。

しかし、このホリーの役どころは自由を求めてたくましく這い上がっていく貪欲さがあります。

その逞しさをマリリンモンローから感じることができるかと言われたら…

私も「う~ん…」微妙かもしれないって思うな。

男性を手玉に取る強さより、手玉に取られてしまいそうな弱さが見えてしまう。

 

永遠の妖精が代名詞のオードリー。

オードリーが主役と聞いて原作者がミスキャストだと怒るくらい、主人公のホリーとは対照的です。

イメージだけで観ればオードリーヘップバーンは、ミスキャストともいえるでしょう。

しかし、オードリーにとっては挑戦的な1作であることは間違いないですね。

固定されたイメージを打ち破るような真逆の役を演じ切るのは、女優としての殻を破ることでもあります。

とても怖いことである反面、実力を見せつけるにはうってつけです。

ストーリーの変更などはあったにせよ、映画でみるホリーに、オードリーヘップバーンとの境は見えません。

私はオードリーがホリーに合わせているのではなく、むしろ、ホリー役がオードリーに寄ってるようにすら感じました。

『どんな役もオードリーになってしまう』

そんな気にさせるオードリーヘップバーンの存在感。

やはり名女優なのだと感じさせられます。



「ティファニーで朝食を」はひどい?なぜ名作なの?考察のまとめ

なんだかんだと言われても、人を惹きつける魅力だってあるのが映画です。

一見、めちゃくちゃに見えるホリーの行動。

誰もが持っている不安と願望を素直すぎるほどに表現しているからとも思いませんか?

 

ポールの愛を所有ととらえ、自由であり続けることを選んだ原作のホリー。

愛の中に本当に欲しかったものを見出した映画版でのホリー。

私はどちらの結末であっても

『自由にもなるし、不自由にもなる』と思っています。

大事なのは、自分の在り方だけ。

 

多くの方が言うように、原作小説と、映画のホリーは別物かもしれません。

オードリーが演じた映画版のホリーは、小説のイメージとの垣根を越えて、内側に持っている寂しさや意地っ張りなところ、不器用な愛を見せてくれるように感じるのです。

上級者ぽい演出があるのに不器用。笑

そんなホリーを可愛くも、愛しくも感じます。

本当に大事な物は何なのか?

彼女はどんな幸せを選ぶのか。

一人の女性として最終的に辿り着いた答えは何か。

映画の「ティファニーで朝食を」はストーリーの批評だけでなく、端的なミクロの視点でも楽しんでほしい映画です。

 

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