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すずめの戸締まり、批判の理由…海外の反応やおすすめされない理由とは?

すずめの戸締まり 批判 海外の反応 本当にひどい?
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すずめの戸締まりに批判が出てしまった理由を考察。

海外の反応やロングランヒットなのにおすすめされなかったのはなぜか?

大きなネタバレなしであらすじや興行収入からも考察しました。



すずめの戸締まりに批判?理由は…

すずめの戸締りに、一部で批判の声が上がっていました。

理由は、震災というテーマに新海監督の深い想いが伝わりきっていなかったことにあると感じました。

新海誠監督の代表作の一つ、

2024年4月5日には、金曜ロードショーで地上波初放送も決定しています。

(しかも、エンディングでは、未公開の特別映像もながれるそうです!)

2024年現在も展示会が開かれるほどのロングランヒットの「すずめの戸締まり」

かつて、批判の声も多く上がっていました。

絶賛されながらも強い批判があったのはなぜか?

大きく食い違ってしまった理由は「震災」でした。

新海誠監督は「東日本大震災」をテーマの一つに加えていたからです。

実は、このテーマで描かれていると知ったとき、制作サイドからもストップの声が上がっていました。

大きな爪痕を残した災害です。

目を背けたかったり、つらいことを思い出させるなんて!

という声が上がることも理解できます。

けれど、監督はやめずに描きました。

新海監督に見えていた想いは、むしろ浅いものではなかったからです。

12年以上たってもまだ、放射能の影響によって故郷に帰れない人がたくさんいます。

そして、誹謗や中傷が世界から消え切っていない事実も目の当たりにしています。

『東日本大震災の爪痕から心も体もまだ復興していない、そのことを知ってほしい』

いたるインタビューで新海誠監督はハッキリ伝えています。

すずめが扉を開けた常世の中では町が燃えています。

それは、すずめの心の中でまだ町が燃えているからなんです。

新海誠監督のインタビュー内容より引用

新海監督は本気で東日本大震災を描きとりました。

制作サイドからも注意喚起が起こったほどくっきりと。

心の痛みまでも引き出されてしまうような表現力ともいえます。

12年たった今でもまだリアルに感じる人も多いのでしょう。

それゆえに【映画】という、どこでも、誰でもが簡単に見れてしまうもので扱っていいのか?

と葛藤が起こっても不思議はありませんね。

この葛藤や注意喚起は、辛い思いをした人、不便を強いられている人へのいたわりや寄り添う気持ちからだと思います。

しかし、こんなふうにも感じられませんか?

「まだ終わっていない」

きっと新海誠監督は、優しさや寄り添いという言葉では表せない、もっと強く深いところを見ていたんじゃないかと思ったのです。

私には新海監督の想いは『未来を創るためのエール』だと感じました。

支援に観てほしい、感じてほしい、忘れないでほしい。

そんなに簡単に消えて、終わるようなものではないからこそ、簡単に風化させてはいけない。

と思われたのかもしれませんね。




雀の戸締まりのあらすじを解説(ネタバレほぼなし!)

すずめの戸締まりは、日本各地で開き始めた扉の向こうからやってくる災いを防ぐため、白猫のダイジンに導かれ旅にでる少女と少年の物語です。

主人公は17歳の少女、鈴芽(すずめ)。

鈴芽が知らずに、うっかり要石を抜いてしまっていたことで物語の展開が加速していきます。

ある日、登校した鈴芽は、赤黒い煙のような物が立ち上がるのをみつけます。

鈴芽がみた赤黒いものは『ミミズ』という大地震をおこす災いでした。

他の誰にも見えていない赤黒い煙を追って山の廃墟へと向かう鈴芽。

扉を探して旅をしている青年、宗像草太と出会います。

山の廃墟で、鈴芽をかばってケガをした草太。

鈴芽は草太に代わり、見つけた古い扉をしめることになりました。

草太はそのミミズ(厄災)を押さえてくれるの要石だと教えてくれます。

重要な役割を背負っている草太。

しかし、すずめを気に入った白猫のダイジンによって草太は子に姿を変えられてしまいます。

日本中で扉が開きだし災いが動きだしてしまうのです。

扉を閉めてくれていた草太はいない。

白猫のダイジンに導かれ、鈴芽は草太に代わり旅にでることになります。

日本各地で開き始めた扉。

その向こう側からやってくる災いを防ぐため、扉を閉める旅がはじまります。

 

作中では、叔母の環との微妙な関係性。

白猫『ダイジン』の存在理由。

草太と鈴芽の未来。

過去の世界で、小さい鈴芽に託した希望。

が描かれていきます。

また、草太が唱える祝詞や、すずめたちのフルネーム(岩戸鈴芽)などにも伏線が!

前作「天気の子」に次いで、神道の要素もちりばめられています。

旅に出た鈴芽はぶじに扉をしめていけるのか?

そして、草太はどうなるのか?

細やかな伏線が敷かれていたりと、ラストまでの展開もハラハラしてしまいます!




すずめの戸締まりに批判?考察と感想!おすすめにならなかった理由。

すずめの戸締まりが、当初おすすめにならなかった理由を考察してみました。

理由として考えられるのは、エンターテイメントであり、アニメという位置づけもあったからなのではないでしょうか。

エンタメは楽しむもの。

アニメは誰でもが手軽に観れるもの。

というイメージですよね。

アニメなのに、大きな悲しみを思い起こさせる。

というのが大きな要因で、オススメとは言いにくかったのかもしれません。

しかし、それと同時に、監督の想いが届いた人は、意識が変わったとも思うのです。

誰もが大切なことだと感じ始めたのではないでしょうか?

天災とも人災とも言われた大きな出来事。

この数年で持ち出すほうが勇気のいる事だろうと思います。

それでも、新海監督が描かずにいられなかったのは、嘘偽りなく現実を見続けていたからではないでしょうか?

強く未来を信じ、復興を願うからこそなのではないかなと思いました。

12年以上という月日がたちました。

年月が経てば、人の心から少しづつ抜け落ちていきます。

新たな問題や様々な不安感をあおるようなニュースは途切れることがなく報道されています。

なかったことにはならない。

まだまだ目を閉じて良い状態ではないのだ。

自分達に何ができる?

メッセージを発信し、人々の心に復興を忘れない明かりを灯し続けているのかもしれませんね。




「すずめの戸締まり」海外の反応や感想。

 

彼は古い魔法、新しい魔法、神、インスタグラム、テキストメッセージなどが混じった、非常にモダンな世界を作り上げてみせたのだ」/New York Timesのマヤ・フィリップス

批評家は、口を揃えてビジュアルの美しさを絶賛。2011年の東北地方太平洋沖地震という大きなテーマに、成長物語、ファンタジーを組み合わせた独自のストーリーを褒めている。

引用元:Yahoo!ニュース

アニメーションの美しさと相まって、不思議な物語でワクワクしたという人も多かったようです。

可愛いキャラクターもでてきます。

神道に通じる部分が所々に散りばめられた物語でもあります。

神社やお寺、古事記などが好きな方にはまた違った楽しみ方ができますね。

エンターテイメントという位置づけだからこそ、柔らかく、人の心に残ります。

神がかった不思議な物語

という言葉で終わらせるには、あまりにも大きい。

畏敬の念と深い想いを感じる映画でした。

 

「すずめの戸締まり」海外での興行収入から考察

配給の東宝のアンケートによると、映画の満足度94.5%と非常に高い数値を示しているほか、新海監督作品史上最多となる世界199の国と地域で配給。インドでは日本映画史上1位の興収で、世界中で大ヒットを記録となった。引用元:oricon news

海外ヒットが大きくなるなかで、興味深い現象も起きている。 海外の映画興行収入が日本国内のそれを大きく上回ったことだ。 中国本土157億円、韓国56億円、北米14億円、台湾11億円、これらの合算だけでも約237億円、日本国内の興行収入を超える。 世界興行収入に占める日本国内の割合は全体の3分の1程度だ。引用元:Google

日本では、やや賛否両論が飛びかっていた時期はありましたが、海外での評価は大絶賛です。

お国柄という部分はあるかもしれません。

海外のとらえ方の方が未来的な視点だなと感じがしました。

起こってしまったことに寄り添うだけではなく、どう未来につなげるのか?といった逞しさを感じるんです。

たくましくもあり、クールにも感じます。

観ていられないのでは?

と感じた人とは、また考え方や捉え方、向いている方向が違うんだなと強く感じました。

だからこそ、海外の人にとって日本人の繊細さや心の寄り添い方、丁寧さは評価されているのでしょうね。

すずめの戸締りは、2023年ベルリン国際映画祭でコンペティション部門にノミネートされました。

このノミネートは千と千尋の神隠し以来、と大きく話題になっていましたね。

残念ながら、受賞はなりませんでした。

それでも世界的に高い評価を受けたという事実は変わりません。

どんなに悲しい出来事があったとしても、どんなに大きな災害があったとしても、人はそのあと、笑いながら成長していくことができると思う。素敵なめぐり逢いや不思議な出来事と巡り合ったりして、笑いながら成長していける映画にしたくてファンタジー映画として描きました。引用:新海誠監督インタビューより

日本の文化的な背景が垣間見える作品が世界に出ていくことは素晴らしいと感じます。

同時に、新海監督の深い強い想いも世界中に届いたのでしょう。

 

すずめの戸締まりには、

震災の辛さや苦しさ、忘れ去られないように知ってもらう

という側面だけでなく

人は、どんなにつらくても成長していける。

弱いけれど弱くない。儚いけれど逞しい。

私は『人』の奥に眠る力を表現しているようにも感じるのです。

もちろん、傷が大きければ、傷跡を見ることすら辛いと思います。

痛いほどに感じます。

けれど、人は生きていく。

たとえ絶望しても、人は生きる力を取り戻せる。

そんなふうに、観ていて、自然と心が動いたのです。

新海監督の『すずめの戸締り』が批判で終わることなくロングヒットになっている理由はここに尽きると思います。

私は新海誠監督の描き方に感じる温かさと力強さじゃないかとも思うのです。

説教臭くもなく、強要でも悲観でもなく、ふっと入り込んでくるように人の心に届く。

この不思議な世界観でありファンタジーだからこその魅力なのかもしれませんね。



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