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ブレードランナー/「彼女も惜しいですな…」の意味を考察

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『ブレードランナー』の上司、ガフのセリフに隠された意味を考察していきます。

「彼女も惜しいですな…」と呟き、レイチェルをなぜ助けたのか?



ブレードランナー/ガフのセリフ「彼女も惜しいですな…」の意味

ガフが呟いた「彼女も惜しいですな、短い命とは」と言うセリフ。

It’s too bad she won’t live, but then again, who does?

日本語字幕だとあっさりした訳ですが、実は深い意味の込められた名セリフです。

日本語字幕だと短文に訳されていてわかりにくいので原文から考察していきます!

「彼女が生きられないことは残念だよ。でもな、誰も永遠に生きはしないさ。」

ブレードランナーのラストシーンで、男性レプリカントのロイが寿命を迎えた後。

ガフがデッカードに、落とした銃(ブラスター)を渡しながら言います。

「彼女」は解任が決定しているレイチェルのこと。

この時、ガフはレイチェルがタイレル博士の特別な試作であることを知りません。

つまり、レイチェルの寿命は4年だと思っているのです。

ガフは、デッカードがレイチェルに好意を抱いていることに気付いていました。

レイチェルを殺せるはずがないことにも。

つまり、このセリフの意味は。

感情が芽生えたレイチェルは間もなく寿命で亡くなると言ってるのです。

「結ばれることはない」「運命は変えられない」ことへの、デッカードへの同情やなぐさめが含まれているように感じます。

「彼女も惜しいですな…」というセリフは、

実は、台本にあったものではなくガフを演じたオルモスのアドリブです。

「あれは僕が作ったセリフ。映画に残るなんて思いませんでしたよ。」

引用元:THE RIVER/エドワード・ジェームズ・オルモスのインタビューより

脚本を読み込み監督に提案するほどガフというキャラクター頭したオルモス映画の主題を理解していたからこそ残された言葉だったのです。同情や皮肉とも違う、映画の本質が含まれている名セリフだったんですね。

 

さて、ブレードランナーだけだと解釈はここで終わりなのですが…。

ディレクターズカット版や2049まで含めると、このセリフの別の意図も見つけることができます。

それは、デッカードもまた同じ運命を辿るかもしれない。という含みです。

次の章で、もう1つの解釈について解説していきます!



ブレードランナー/ユニコーンに隠された意味

ガフは、デッカードとレイチェルが出ていくのをそのまま見逃しています。

その場で、強硬手段に出ることもできたガフがしなかった理由。

それは、ガフが置いていったユニコーンの折り紙から考察できました。

ディレクターズカット版でわかるのですが、ユニコーンの夢はレプリカントがみる夢なんです。

デッカーズが白昼夢のようにみていました。

つまり、これはデッカーズがレプリカントである可能性を指示しています。

ユニコーンは存在しない動物です。

ガフはデッカーズがレプリカントであることを知っていた。

つまり、通常であればデッカーズもレプリカントとしての運命をたどります。

その儚さと、現実に成し得ないであろう二人の幸せな未来。

それらの象徴としてユニコーンの折り紙を置いたのではないでしょうか?

 

前章でお伝えした1つ目の解釈は、

『人間の傲慢さ、人間の都合で作り出された人造人間の儚さへの同情』でした。

しかし、このユニコーンによって、もう1つの解釈が生まれ

『デッカードもまた同じ運命を辿るかもしれない』という伏線ともとれるのです。



『ブレードランナー』ガフはレイチェルをなぜ助けたのか?

ところで、そもそも、ガフはレイチェルをなぜ助けたのか?と疑問に思いますよね。

レイチェルにも解任(抹殺)命令が出ていましたが、ガフはレイチェルを見逃す言動をします。

正確には、ガフは助けようとしたわけではないんです。

その理由は、レイチェルだったからこその事情にありました。

そもそも、レイチェルに解任命令がでたのは、タイレル博士のもとを脱走したことが理由です

感情の暴走が抹殺対象になるので、逃げだしたことでレイチェルがレプリカントであること。

寿命を迎える前に感情が芽生えてきたと判断されたからです。

ブレードランナーではレプリカントは寿命を迎えるか抹殺か…と言うのが常でした。

しかし、もともとの解任(抹殺)命令対象であった最後のレプリカントのロイが死んだあと。

上司であるガフ刑事は、デッカードに「これで終わりだな」と言います。

レイチェルの解任は決行されていません。

この言葉は、事実上の黙認に聞こえますよね。

レイチェルに好意を持っているデッカードに抹殺の意志がなくても上からの命令です。

簡単にくつがえるわけがありません。

ガフはレイチェルが特別なレプリカントであることは知りませんでした。

これは、前章でお話しした「彼女も惜しいですな…」のセリフの背景でわかります。

感情が芽生えたレイチェルは放っておいても間もなく寿命で亡くなる。

つまり、どっちにしろ同じことだ。

と言う意味で、そのままにしたのではないでしょうか?

ガフはレイチェルを助けたわけでなく、

レイチェルは寿命の設定されてない特殊なレプリカントだったこと。

ガフがレイチェルにも寿命があると思い違いしていたこと。

この2つの偶然によって、結果的にレイチェルは見逃され、助かったということになります。



レイチェルに寿命の設定がなかった理由

レイチェルが助かった大きな要因である寿命。

通常、レプリカントの寿命は約4年ですが、レイチェルには寿命の設定がありません。

レイチェルは精神安定用に疑似記を植え込まれた最新の実験体だったんです。

そのため、レイチェルは寿命という期間に左右されず、逃げおおせることができたのです

 

レイチェルの寿命について

詳しくは、

↓こちらの記事でどうぞ↓

『ブレードランナー/レイチェルの最後…』

レイチェルの最後と子供についてまとめています。

 

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